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長時間にわたって撮影する天体観測では望遠鏡のピント移動が大きな問題となってきます。 特にカセグレン焦点は 温度変化に敏感な光学的性質を持っており、その性質を理解することで望遠鏡の選択や対処方法などが見えてきます。 主鏡のF値をFp、望遠鏡の合成F値をFa、そして主鏡と副鏡の距離の変化をdとすると、ピントの移動量Δは次のようにあらわされます。 Δ=(Fa/Fp)^2×d この式が意味するところは、ピントの移動量は鏡間の距離にFa/Fpの二乗をかけた分だけ移動するため 合成F値に比べ主鏡のF値が小さいほど敏感にピント移動が起こることを示しています。 例えばシュミカセの場合主鏡のF値が2で望遠鏡の合成Fが10であるので、Fa/Fpの値は10/2=5となり 鏡間の距離の25倍のピント移動が発生します。 鏡間の距離が0.1oずれるとピントの移動は 2.5oにもなります。 このため望遠鏡本体の材料には膨張率の低い材料を使うことが好ましく、 カーボンを使っている望遠鏡はピント移動量が少なくなります。
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