HOME > 高速ダウンロードスピードのメリット 


   FLI冷却CCDカメラは高速と低速ダウンロードの2モードを備えてあります。 ダウンロード 速度に応じて読み出しノイズが変わってくるためお客様のご要望に応じてセットアップ させていただいております。 一般に低速モードのほうが読み出しノイズが低くなります。

ただしご理解いただきたいことは、実際のノイズは読み出しノイズ以外にショットノイズ、ダークノイズ、スカイノイズ があり、主にショットノイズとスカイノイズが支配的であるため読み出しノイズを小さくしても 出力される映像にはほとんど影響がございません。

天体写真においてS/Nを上げるもっとも効果的な方法は光量を増やすことです。 そのためには 出来る限り大きな口径で、出来る限り時間ロスが無い様ダウンロードすることが望まれます。  そのため低速モードで撮影するよりも高速モードで1枚でも多く枚数を稼ぐほうがS/N比は高くなります。

分光や測光では背景レベルが小さい場合読み出しノイズの影響を無視することができません。 その場合には 露出時間や背景レベルに応じて低速モードを選択するほうが良いとされております。

ダイナミックレンジにおきましても低速・高速モードで大きな違いはございません。 フルウェルキャパシティが 1万電子で高速読み出しノイズが15電子、低速読み出しノイズが10電子のカメラがあった場合、単純なダイナミックレンジは
高速モード 1万電子÷15電子=666
低速モード 1万電子÷10電子=1000
となりますが、1万電子の光が撮影されたときにはその平方根である100電子のショットノイズが 入っているためS/Nは1万電子÷100電子=100となり、実効的ダイナミックレンジは100程度になります。  従いまして電子基板の性能を表すダイナミックレンジは実際の観測には不向きな評価であるため 読み出しノイズの違いによるダイナミックレンジの変化は無意味になります。 ダイナミックレンジを 上げるには純粋にフルウェルキャパシティを大きくすることが必要となります。 (正確には ノイズは√ショットノイズ^2+読み出しノイズ^2=√100x100+10x10=100.5となり、読み出しノイズ の影響はほとんどありません。)

ご注文時高速または低速モードに最適化してセットアップしておりますので、ご要望が有る場合には その旨お知らせ下さい。 通常は高速モードでパフォーマンスが最大になるようセットアップされております。

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