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リモート観測では思わぬ事故がいくつも潜んでおりその一つが赤道儀の同期ミスです。 従来の観測では ファインダーを通して目印になる天体を凡そ導入し、その後望遠鏡にて高精度な同期を取ります。 リモート 観測ではこのファインダーでの工程が省かれることが多いため誤った星で同期を取ったり、マウス操作ミスにより 不用意に再同期を取ってしまいその結果導入時に意図しない方向に動き望遠鏡が赤道儀に衝突するなどが 事故が起こります。 ここではそのような事故が少しでも減るようなホームポジションについてご案内いたします。 ■ホームポジション ホームポジションとは望遠鏡を使わないときに止めておく位置のことで、望遠鏡を使わないのだからどこでも 良いというわけではなく、次に使うときに赤道儀の座標がすぐに合わせられる場所が好ましくなります。 望遠鏡を始動してまず行うのが座標の同期確認ですが、日没直後では星は見つかりませんし、 リモート観測では現場に居合わせないため従来のように明るい星を使って座標の同期を取るということを 行いません。 星図カタログと照らし合わせて撮影した画像から座標を割り出すPlate Solveを使うことも 行いますが、当てずっぽうに検索するとなかなかヒットしません。 そのためあらかじめ座標がわかる位置で 望遠鏡を止めておくほうがいろんな意味で都合よくなります。 ■天頂 全天の中でもっとも座標がわかりやすいのが天頂です。 わかりやすというのは座標だけでなく望遠鏡が 天頂に向いているかどうか視覚的にもとらえやすいです。 天頂の赤緯は観測地の緯度と全く同じであるため、 もし観測値の緯度が北緯35度であるなら、赤緯も35度となります。 (南緯30度の場合は赤緯は‐30°となります) 赤経は子午線と等しく、多くのソフトウェアがこの子午線の座標を常に表示しているため簡単に入力することができます。 天頂はどの方角から見ても同じ姿勢であるため室内モニターからも確認がしやすく最適なホームポジションと考えてよいでしょう。 TOP |