太陽系内の天体、特に彗星や小惑星は移動速度が速いため恒星時追尾で 撮影すると天体が流れてしまいます。 露出時間を短くしてコンポジット枚数を 増やしてもダウンロード時間が間に入るため撮影効率が悪くなったり、画像処理が 煩雑化します。 MaxImDL/CCDのオフセットトラッキング(OffsetTracking)機能はそんな 問題を解決する有効な手法で、オートガイドしながら恒星をオフセットさせて 移動天体を追尾する、いわゆるメトカーフ法が可能となります。 【ウィンドウ画面】 オートガイドの画面からオプションをクリックします。 次にアドバンス(Advanced)を開いき、OffsetTracking欄からSelectFileを クリックしてオフセットデータファイルを読み込みます。 【オフセットデータファイル】 フォーマットは時間間隔 X移動量 Y移動量の3つからなり、時間間隔(単位は秒間)ごとに XYの移動量分だけ(単位はピクセル)ガイドスターを動かします。 これにより 画面全体はガイドスターと反対方向へ移動されて撮影されます。 フォーマット例 5 +1.0 -1.0 10 +1.0 -1.0 15 +1.0 -1.0 この例ではガイド開始5秒後にガイドスターをX方向へ1ピクセル、Y方向へ-1ピクセル 移動し、次の10秒後に同じだけ移動し、さらに15秒後同じ動作が行われます。 ガイドスターがガイドチップのエッジにきたとき、またデータの読み込みが終了 したらオフセットトラッキングは停止し通常のガイドを行います。 オフセットトラッキングでは移動量の単位はガイドチップのピクセルとなり、 メインチップのピクセルではありません。 【作例】 撮影データ 天体 シュワンスワハマン第三彗星(C核) 露出時間 5分×2枚×RGB3色 オフセットデータ 10 -0.23 +0.3 画像処理 RGB合成 |