天体観測所(天体観測ドーム)のすすめ

天体写真撮影や観測を行うには、望遠鏡・赤道儀・カメラ・その他アクセサリが必要になり、1つの機器に対し数本のケーブルが必要なことからトータルで10−20本以上のケーブルが必要になり準備に時間が掛かります。 このため天体観測所を持つことは観測するうえでとても重要になってきます。

■天体観測所と天文台の違い
よく耳にするのが天文台です。 天文台とは観測所や計算機ルーム、倉庫、その他設備など複合施設を有する規模の大きな組織のことで、個人の天体ドーム1つだけをもって天文台とは言いません。 ドーム1つの場合には観測所になります。 

■ドームとスライディングルーフ
天体観測所には大きく分けてドーム型とスライディングルーフ型の2種類に分けられます。 ドームの利点は望遠鏡の開口部の方向以外は壁面に覆われているため、結露や風に強いのが特徴です。 欠点としてはドーム開口部を望遠鏡と同期しなければならないので、システムがやや複雑になります。 とはいっても、コンピュータが全自動制御してくれるので観測者は気にすることはありません。
スライディングルーフはその名の通り天井がスライドして開閉するタイプで、広視野が一度に確保できるメリットがある一方、結露しやすいデメリットがあります。 

■観測所のすすめ
冒頭に述べた通り、近年の天体観測機器はデジタル化が進み、すべての機器がうまく同期していないと観測することができません。 USBケーブル一本抜けているだけで撮影できないのです。 野外に望遠鏡を持ち出して撮影するには準備に時間がかかり、夕方の彗星撮影を行うには綿密な計画と実行が必要でこれを行うだけで一苦労です。 長距離運転と準備の疲労は肝心の天体撮影で失敗を招きかねません。
天体観測所をもつ一番のメリットは、この準備時間を省けることです。 観測や撮影に集中でき、より良いデータが得られやすくなります。 また、機材トラブルも起こりにくくなり、天体観測所を持つことは天体撮影を成功させる大きな秘訣と言えます。

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