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【ゴースト】
  レンズを通る光線のほとんどは透過するが、一部レンズ表面で反射する。  反射防止コーティングを施しても完全に反射を抑えることができず、波長や コーティングの種類によって反射率が変わってくる。 光学系の設計では 収差を抑えるだけでなくゴーストが発生しにくいようレンズ面の位置や 曲率を抑えることがあるが、フィルタやCCDカメラのウィンドウはその 選択肢があまりないため発生の原因となることがある。

赤:結像光線、青:ゴースト光線      

  上の図でわかるように、フィルタとウィンドウ表面の組み合わせによる 反射がゴーストとなることがある。



【マルチコート】
  フィルタやウィンドウ、そしてCCDのカバーガラスの3箇所で起こる ゴースト解析を行ったところ、フィルタ特性とカメラウィンドウの反射率によって ゴーストがおきやすいことが判明している。 フィルタ特性の反射特性を 抑えた色吸収型フィルタを使ったものが発売されており、これを使うと 極めてゴーストが抑えられる。 さらにカメラウィンドウのコーティングを マルチコートにすることでさらにゴーストを抑えることが可能であることが わかっている。

       
ゴーストシミュレーション
左:単層コート、右:マルチコートウィンドウ


古いタイプのCCDセンサではカバーガラスがノーコートの場合があり、これによる ゴーストを抑えるためカバーガラスをはずす効果は大きかったが、近年のCCDセンサのほとんどはマルチコートであるため カバーガラスはつけたままでもここでのゴーストは起きない。